世界的な風力・太陽光発電会社であるMainstream Renewable Power社は、再生可能エネルギーの大手企業となる道を順調に進んでいます。2008年の創立以来、同社は総エネルギー容量6.4ギガワットの発電設備を開発し、13か国で存在感を確立しています。
デジタル戦略での受賞
Mainstream社は、再生可能エネルギーへの世界的な移行を主導することをミッションとして、環境的に持続可能な方法でビジネスを迅速に成長させることに注力しています。この取り組みには、同社のITインフラストラクチャをビジネス目標に合わせて変革し、二酸化炭素排出量を削減することも含まれています。
Mainstream社は、DXC TechnologyとMicrosoftと提携し、テクノロジープラットフォーム全体を再構築して、純粋なクラウドエンタープライズへの移行に着手しました。それ以来、Mainstream社はプロセスの革新と自動化を推進し続け、急速な市場の成長やリモートワークモデルへの対応など、変化する課題に対処してきました。
「DXCは、Mainstreamの俊敏性と持続可能性の実現、そして業務効率の向上を支援してくれる重要なパートナーであり、イノベーションと持続可能な成長へ向けた取り組みをサポートしてくれています」
Mark Kane 氏 Mainstream Renewable Power 情報ソリューショングローバル責任者
多くの組織がクラウドについては様子見という姿勢をとる中、Mainstream社は2014年に「持続可能なデジタルトランスフォーメーション」という5年間のクラウドプログラムに着手しました。
Microsoft Software as a Service (SaaS) とAzureクラウドソリューションを実装することで、同社は物理インフラストラクチャの負担から解放され、より柔軟で応答性の高いITモデルを手に入れたのです。
同社は汎用的なIT機能をアウトソーシングし、社内の情報ソリューションチームを従来のIT部門から信頼できるビジネスパートナーに任せることができました。同社は従業員数をほぼ3倍に増やしましたが、テクノロジーサポートスタッフを増員せずに、この従業員の拡大を実現しました。
「DXCが有するテクノロジーとエネルギー業界双方の課題に関する深い知識と、私たちの変革の基盤となったMicrosoftプラットフォームを早くに導入していた専門知識によって、私たちはテクノロジー投資から最高の価値を実現できています」
Mark Kane 氏 Mainstream Renewable Power 情報ソリューショングローバル責任者
「DXCは、Mainstreamの俊敏性と持続可能性の実現、そして業務効率の向上を支援してくれる重要なパートナーであり、イノベーションと持続可能な成長へ向けた取り組みをサポートしてくれています」と、Mainstream Renewable Power社の情報ソリューショングローバル責任者であるMark Kane氏は評価します。「DXCが有するテクノロジーとエネルギー業界双方の課題に関する深い知識と、私たちの変革の基盤となるMicrosoftプラットフォームを早くに導入していた専門知識によって、私たちはテクノロジー投資から最高の価値を実現できています」
DXCとMicrosoftとのパートナーシップは、オンプレミスからSaaSへの移行における最後のテクノロジーの柱であった、Microsoft Dynamics 365 for Finance and OperationsのMainstream社への実装とサポートを成功させた鍵でした。DXCはロボットによるプロセス自動化 (RPA) ソリューションを展開し、新しいリリースのユーザー受け入れテストと、財務部と情報ソリューション部によるエンタープライズソリューションに関する日々の管理業務を劇的にスピードアップしました。
変革の重要な要素は、Mainstream社が自社データセンターを廃止して純粋なMicrosoftクラウドエンタープライズに移行したことでした。これにより、年間150,000ユーロ (183,000ドル) の直接的なコスト削減が実現し、インフラストラクチャの刷新に必要な212,000ユーロ (259,000ドル) の追加コストを回避できました。DXCがMainstream社の過去の財務データをAzureに移行することで可能になった、この物理インフラストラクチャの廃止により、Mainstream社はITインフラストラクチャからの二酸化炭素排出量を大幅に削減するという目標も達成しました。
2019年にMainstream社は、この革新的で持続可能かつ俊敏な変革へのアプローチが評価され、世界的に権威のあるICMGのZachman Architecture Awardを受賞しました。
成長への障壁
Mainstream社とそのテクノロジーパートナー各社は、Microsoft Power Platformを活用して大規模なイノベーションを継続的に推進しています。同社は新市場の急速な成長に対応するための新しいプロジェクトで必要な、複雑なオンボーディングプロセスへの対処で課題に直面し、DXCに支援を求めました。
Mainstream社のプロジェクトは同社のグローバル開発基準により、現地の規制で義務付けられていない場合でも、常に最高の国際基準に基づいて展開されます。Mainstream社は地域社会への貢献にも熱心に取り組んでおり、地域の課題を理解するため密接に連携し、地域社会との取り組みを通じた長期的な利益の創出にも尽力しています。
実際問題として、これは各プロジェクトについて個別法人を設立し、地域の規制や要件に準拠させる必要があるということでもありました。
「DXCが自動テストにRPAを使用する際の大きな差別化要因は、Dynamics 365 for Finance and Operationsの新リリースを、連携動作するその他のシステムと一緒に検証できることでした。これにより、アップグレード前にD365の機能だけでなく、他のテクノロジーとの重要な連携も検証できます」
Mark Kane 氏 Mainstream Renewable Power 情報ソリューショングローバル責任者
RPAを活用して展開とアップグレードを高速化
オンボーディングプロセスはプロジェクトの期間中継続するため、非常に複雑になります。チームメンバーは、建設用地や電力の調達から、設備建設の最終段階に至るまで、プロジェクトが開発プロセスを進んでいくとともに、さまざまな役割を担いました。
「Mainstream Renewable Powerは、世界を再生可能エネルギーに移行させるという責任を非常に重く受け止めています」と、Mainstream Renewable Power社のサイバーセキュリティおよびインフラストラクチャ責任者であるRobert Kennedy氏は述べています。「私たちはパートナーにも同じよう熱心に取り組んでもらいたいと望んでいますが、DXCはまさにふさわしいパートナーです。DXCの専門知識により、私たちはD365ですべてのプロジェクトのセットアップ要件を設定する自動ソリューションを開発し、時間のかかる煩雑なプロセスを、ボタンをワンクリックするだけの簡単なプロセスに変革できました。しかもこれを記録的な速さで実現しました」
DXCはMainstream社のためにさらに踏み込み、ロボットによるプロセス自動化 (RPA) 、クラウドの利用、そして組み込み型人工知能 (AI) を組み合わせて、新規リリース、アップグレード、拡張機能のテストを簡素化しました。
このソリューションは、ビジネスの中断や人為的ミスが軽減され、運用上のリスクやコストが削減されるとともに、拡張機能やアップグレードに悪影響を与える可能性のあるその他の要因も回避します。
DXCはクラウドとデスクトップの両方でRPAを使用する革新的なアプローチを採用し、時間を要する繰り返しの多い手動によるユーザー受け入れテストのプロセスを、ボタンをワンクリックするだけの簡単なステップに変革しました。
「DXCが自動テストにRPAを使用する際の大きな差別化要因は、Dynamics 365 for Finance and Operationsの新規リリースを、連携動作するその他のシステムと一緒に検証できることでした。これにより、アップグレード前にD365の機能だけでなく、他のテクノロジーとの重要な連携も検証できます」とKennedy氏は話します。
実績
変化に遅れずに対応
新型コロナウイルス (COVID-19) により、2020年にリモートワークなどの新しい働き方への移行が促されたとき、DXCはMainstream社がPower Platformを活用して進化するビジネスニーズに対応できるよう再び支援しました。
Mainstream社は、従業員が現地を定期的に訪問する際にデスクや駐車場を予約するためのPower Appを展開し、現地の安全プロトコルや人数制限規制への準拠を確保しました。
さらなる改善を目指すMainstream社は、他のビジネス領域への自動化の導入を継続しています。
たとえば、DXCはMainstream社と協力してチャットボットによる問い合わせ解決ソリューションを開発し、ユーザー体験をコスト効率よく改善しています。
「テクノロジーと自動化は、私たちの変革において大きな役割を果たしています」とKennedy氏は話します。「そしてDXCは、長年の変革を通じて重要なパートナーです」